裏結界めぐり

安倍晴明によって張られたといわれる五芒星の結界には、表結界と裏結界があります。

結界巡りとは、五角形の頂点の位置に配置された神社やお寺に、✮の一筆書きの順番にお参りすることで、京都のエネルギーと自分の生命エネルギーを同時に上げることができるといわれています。

 

さて、表結界の外側に裏結界は張り巡らされています。

外側なので、結界の要所ごとの距離がさらに離れている上に、街中から外れた山の中にあったりするので、回るのは大変になってきます。

その中で最も難所だったのが、醍醐寺です。

西国三十三か所霊場の最難所といわれる山頂にある上醍醐までは、石段や丸太の九十九折りの道がひたすら続きます。

事前に身体を鍛えてこなかったのを激しく後悔しました。

富士山登山をしたときは、ひと月前からジョギングや近所の山に登って訓練をしていましたから、本番はまるで雲の絨毯に乗ったみたいにフワフワ~ッと登れたのに、今回は足が上がりません。

2時間近くかかって山頂までたどり着きました。

 

でも、私と連れの本当の狙いは、そのずっと先にある奥の院に行くことでした。

奥の院は、そこからさらに山深いところにあります。

ここまででかなりの体力を消耗していたので、身体は警告を出していましたが、心が行きたくてしかたがないのです。

初めてきた私たちには、行き方がわからず、道なき道をどこに向かって歩けばいいのかがわかりませんでした。

 

でも不思議なことは起こります。

 

道案内は現れるものなのです。

 

ほんとにどこからともなく二人の男女が現れ、奥の院に行く話を私たちの真後ろで話し始めたので、私たちは振り返ってその話に飛びつきましたしっぽフリフリ

道案内をしていただくことになりました。

心配事はひとつだけ。 自分の体力がもつのか、気が気ではありませんでした。

迷惑はかけられないし、もといた山頂に戻るまではと、気力だけで歩き続けました。

 

奥の院は小さな祠でした。

 

途中で足を止めたところには、修験者が修行した場所という絶壁の崖がありました。

視界が開けたその場所を見ると、空間がゆらゆらと揺らめいたり(こんな山頂で蜃気楼はないですよね?)、グニャリと歪んだりするのが見えました。

空間がグニャリと歪むのは、上賀茂神社でも見たことがあります。

 

いつのまにか奥の院ツアーのお仲間は10人ほどに増えていました。

こうしてなんとか山頂まで戻ることができ、お礼を言って別れましたが、あの男女二人組だけがあっという間に姿が見えなくなり、下山の途中でどんなに追いかけてみても、姿を見つけることはできませんでした。

 

私たちは下山する自分の足元を見つめながら、冷静に思い返してみると、「やっぱり不思議だよね~?、なんか不思議だったよね!」と、嬉しさと有難さがなん度も交互にこみ上げて、軽いハイ状態で降りてきたのでしたニヤニヤ

 

 

往復5時間以上の登山でした。

 

その夜は、なんと発熱ですゲロー

身体の筋肉という筋肉が悲鳴を上げ、いたるところで緊急事態の発生だったのでしょう。

 

こんなに限界を超えてもやり遂げたいという思いは、いったいどこからやってくるのでしょう?

別に登山が好きだというわけではありません。

松岡修造のようなスポ根もありません。

それでもが求めているなにかがあるのです。

 

翌朝はウソのように身体が軽く、懲りずに残りの結界巡りをすべて終えることができました。

裏結界はきついです。